Research

 現在、全グループのテーマとして、「経済成長や市場整備が遅れた国々における会計制度に関する研究」(以下「途上国のビジネス経済学研究」と呼称)の準備が着々と進んでいる。関連分野のサーベイにより、このテーマは重要かつ多面的な研究フロンティアを内包していることが明らかとなっている。例えば、IFRSのマクロ経済や金融市場に与える影響や途上国における会計簿記を含めた経営技術が企業に与える影響等、会計学や開発経済学で最近公開された研究結果もある。一方、IFRSの誕生から先進国への普及、そして、途上国まで拡大した過程に関する金融史・社会制度的分析、更には、最新のネットワークやメカニズムデザイン理論による分析など、未だ手を付けられていない課題も数多く存在している。生産・販売現場における会計簿記の自然発生的な形成過程から国や地域の会計制度の特徴を分析する、あるいは、財政の歳入面から会計簿記の課税システムとしての役割を分析することも興味深いテーマである。会計制度特有の汎用性や標準性から、国家間や国内のみならず産業、地域、企業、工場レベルにおけるスピルオーバー効果に注目し、脆弱国や移行国を含む経済成長が遅れた途上国に対する有効な政策的提言を導出する。

研究成果
中小企業アンケート調査  概要
短縮版

IFRS Adoption Survey Summary Results